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20201/13

2019映画のおはなし。

あけましておめでとうございます。
例年は年末更新でしたが今年は肩の力を抜いて新年入ってからのまとめです。
2019年前半はアルバム制作で時間がとれなかったこともあり、年間視聴本数12本を割ってしまいました。
ベスト5を選べるほど本数観ることができなかったので今年は印象に残ったベスト1のみ。
あとはゆるゆる感想を。

 

『運び屋』2018年公開/アメリカ

かつては園芸家として名を馳せた元退役軍人の老人アール。
家庭を顧みず仕事に明け暮れてきた彼は妻や娘にも愛想を尽かされていた。
時が経ち、あれほど軌道に乗っていた商売にも陰りがみえはじめ、やがて事業に失敗。
仕事を失い自宅までも差し押さえられてしまうのだった。
車とその身ひとつで唯一彼を慕ってくれる孫娘の婚約パーティーに顔を出すが
家族からの視線は冷たく、半ば追い出されるようにその場を後にする。
そんなアールの姿を見た一人の男に「荷物を運ぶだけで金がもらえる仕事がある。」と声をかけられ…

ということで今年一番心に残ったのは『運び屋』
元退役軍人の老人アールを演じるのは90歳目前のクリント・イーストウッド。
『グラン・トリノ』で引退宣言をした彼でしたが、まさかの主演ということで
劇場での公開初日を見ることができて、とても嬉しく思っています。

歳を重ねたクリント・イーストウッドだからこそリアルに演じることができるアールという人物。
80歳代で麻薬カルテルの運び屋になったレオ・シャープをモデルに、実話に基づいて作られています。
クリント・イーストウッド作品といえば重い雰囲気、時には後味悪くシリアスな作品を想像する方も多いかもしれませんが、本作はあらすじを知って劇場まで観に行くと拍子抜けしてしまうほど陽気です。
アールは仕事を失い、家族を失い、お金や住む場所すら失っていますが、失意のどん底にいるわけではなく、結構楽しげにドライブ気分で運び屋をやってしまうんですよね。歌とか歌いながら。
そして次から次へとお金を使い、またお金が入り用になれば麻薬を運ぶ。
時にはマフィアの邸宅で楽しんだりしちゃって。あまりの気軽さがコメディのようでもありますが、彼の中に見え隠れする後悔や寂しさは確かに描かれています。湯水のようにお金をつぎ込んでいく様は、もう戻らない時間を必死に取り戻そうとしているようで非常に切ない気持ちにさせられます。意外なアプローチではありますが、アールの少し不器用な人物像がしっかり伝わってくる素晴らしい作品だと思います。
そういえばアールの娘役の方はクリント・イーストウッドの実の娘さんだそうで…
色んな意味でリアルです。

 

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その他今年観た映画作品。

 

『あしたは最高のはじまり』2016年公開/フランス

南仏コートダジュールで観光の仕事をしながら自由気ままに生活をしているサミュエル。
いつものように女の子と夜を明かした彼の元に、かつて関係をもった女性クリスティンが現れる。
連れている赤ん坊グロリアはサミュエルの娘だというが、とても信じることができない。
そうこうしている内にクリスティンは赤ん坊を置いて姿を消してしまい
サミュエルは慌ててロンドンまで追いかけるが…

次点で印象に残った作品がこちら。主演は『最強のふたり』でお馴染みのオマール・シー
特有のふわっとした空気があるものの引き込まれるストーリーです。コメディとシリアスのバランスが良いのも本作の特徴。メリハリがあってテンポも良いです。
父として成長していくするサミュエルと活発に育った娘のグロリア、そして単身ロンドンにやってきたサミュエルを救う映像会社のプロデューサー、ベルニーの存在。少し不思議な3人家族ですがとても楽しそうで惹き込まれます。
その分、途中の展開には多少息が詰まりますね。母親であるクリスティンが悪意なく自分勝手な感じで観ていて苛々するところもありますが、女優さん(クレマンス・ポエジー)の演技や台詞が絶妙で…「なにを今更!勝手なぁぁ~」って思うけど、強硬手段も愛ゆえというか憎みきれません。
エンディングの描写も含め好みが分かれるかもしれませんが個人的には良作でした。
総評としては「優しく明るいからせつない。」そんな一本。

 

『ワンダー君は太陽』2017年/アメリカ
遺伝子疾患により特徴的な顔で生まれた主人公オギーと、彼を取り巻く人々の物語。
オギーだけでなく周囲の人々にもスポットがあたる、ちょっとしたオムニバス作品のような作りでした。
各々問題や悩みを抱えながら乗り越えていく姿に共感できる作品なのですが描写が曖昧なところも。ヴィアとミランダはあれだけで仲直りしたの?終業式にジュリアンいた気がするけど退学はどうなったの?
まぁ突然次のシーンで付き合うことになってる海外ドラマみたいなものなのかな…?
良い作品だっただけに個人的には惜しい気持ちも大きかったです。

 

『ベイマックス』
面白かった!けど、最終的にヒーロー物に寄せるのか、主人公とベイマックスの心の触れ合いにフォーカスするのか少々どっちつかずな印象。原作はヒーロー物だそうだからちょっと改変でアンバランスになってしまったのかな。ベイマックスかわいいけどね。

 

『オーシャンズ8』
とにかくゴージャスで話もテンポ良く楽しめました。9ボールがかっこよかった。
オーシャンズシリーズ観たことないからこその高評価かもしれないけど私は好き。

 

『美女と野獣』
ディズニーは凄いな、映像も音楽もエマワトソンも良かった。
でも個人的に野獣はわりと野獣のままでよかった。

 

『オートマタ』
“種の交代”というは面白いと思ったのですが、若干設定詰め込みすぎな印象。

 

『ドラえもん ドラビアンナイト』
『シェイプ・オブ・ウォーター』
『gifted/ギフテッド』
『ダークナイト』

ドラマ
『ペーパーハウス3』『Glow』『クィア・アイ』『アンビリーバブル たった1つの真実』


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