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Release hallucination emiのあれとかこれとか

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201812/31

2018映画のおはなし。

2018年も残りわずかとなりました。
この企画も3年目、今年も鑑賞した映像作品を感想と共に振り返ります。
大衆受けはしないけど、私が超良いと思った映画を中心に評価しています。
ダイレクトなネタバレは避けていますが、結構ポロりすると思うのでご注意下さい。
まずは今年のベスト5

 

『世界一キライなあなたに』2016年公開/アメリカ・イギリス合作
主人公のルー(ルイーザ)は働き手のいない家族を支えるため、カフェで働いていた。
しかしカフェが閉店することになり思いがけず失業・・・、そんな時、目をとめたのは高収入な介護の仕事だった。雇用期間が6カ月と限定されていることを不思議に思いつつ、面接を受け無事採用。そこで彼女を待っていたのは事故が原因で脊髄を損傷し、四肢が動かなくなったという大富豪のウィル。
冷たい態度でルーを追い払おうとするウィルだったが、彼女の屈託無い人柄に徐々に心を開き始める。

 

あらすじだけ読むと明るい主人公ルーが、障害を負って心と閉ざしたウィルの救いとなる物語。障害を乗り越えた2人の恋愛映画・・・と、言うと間違いはないのですが、この作品は友情物や恋愛物とはちょっと違います。結末に賛否あるであろう非常に重いテーマの作品です。主人公ルー(エミリア・クラーク)は天真爛漫でかわいらしい!奇抜ファッションのプチ不思議ちゃんですが、ちょっと変なところも含めて好きになれるキャラクター。しかし彼女が普通の女の子として描かれれば描かれるほど、この作品が掲げるテーマについて問われているようで、心が揺さぶられる想いでした。この重すぎず軽くもしない、絶妙にバランスが取れたアンバランスさが、作品を気に入った理由の1つでもあります。
ちなみにウィル(サム・クラフリン)は「これは女の子惚れちまうね!」っていう、城持ちの富豪、いじわるイケメンという設定を詰め込みまくった王子様キャラです。その設定がエンディングにも大分関わってくるので、なかには「ウィルがイケメンじゃなかったら?富豪じゃなかったら?」とか、考えてしまう人も多いことだろうと思うのですが・・・無粋なことは考えない方が楽しめるはず、です笑

パーティで人目を気にせず車椅子で踊るところは名シーン。ルーの誕生日にミツバチタイツをプレゼントするシーンも、お金があっても相手のこと考えたユーモア溢れるプレゼントができるウィルの人物像をうまく描写していてとても良いなと感じました。ルーのファッションも華やかで映像的にもとても楽しめます。ただやはりエンディングは人を選ぶ、非常に賛否ある展開。私は”哀しいハッピーエンド”だと思って、これはこれで良かったと考えています。真逆の結末だったらこの評価はなかったけど、私自身も鑑賞しながらその真逆の結末になることを願っていました。近しいテーマを扱う作品はいくつかあり、それなりの本数を今年も鑑賞したと思うのですが、なかでも登場人物の苦悩と哀しみがダイレクトに伝わってくる作品でもありました。こんな気持ちにさせてくれる作品にはなかなか出会えません。

 

『メタリカ 真実の瞬間(Some Kind Of Monste)』2014年公開/アメリカ
モンスターバンドMetallicaがアルバム『St. Anger』を生み出すまでを記録した映像作品。

 

まさかのドキュメンタリー作品のランクインに自分も驚いています。本当に素晴らしい映像作品でした。本作にはMetallicaが葛藤する姿やメンバー間の軋轢が記録されています。以前ラーズが「この作品の発表を後悔している。」とコメントしたそうですが、その気持ちにも共感をおぼえるほど生々しい映像です。現在のMetallicaの活動が円滑であるほど、ラーズの後悔は大きく感じられることだろうと思います。しかしそんなラーズには申し訳ないのですが、このような生々しい映像を公にしてくれるバンドがどれほどいるでしょう。決して楽しい話ではありません。まさに本作の邦題のごとく「真実」として多くの人に知られるべき内容だと感じました。

Metallicaのファンのみならず、複数人で音楽を作っているミュージシャンや、バンド活動に興味を持っているリスナーの方に是非観てほしい作品です。きっと想像以上にバンドとは稀有な結びつきで成り立っているものなのだと知ることができると思います。正直この作品1本でレポート書けそうなほど言いたいことがたくさんあって・・・笑
多分そのうち別記事で書くと思います。(というか、既にあるけど公開してないだけ。)
感想やレビューでは済ませることができません。『St. Anger』自体は古参リスナーさんからすれば賛否ある作品のようですが、個人的にはこの作品をみて更に好きになりました。

 

『ミリオンダラー・ベイビー』2004年公開/アメリカ
かつて優秀な止血係として活躍していたフランキー(クリント・イーストウッド)。
現在はボクシングジムを経営する傍ら、トレーナーとして多くの優秀なボクサーを育てている。しかし選手の安全を考えるあまり慎重な試合しか組まないので、ビッグチャンスを求める選手には逃げられてばかりいた。手塩にかけて育てた選手がまた1人彼の元を去って行ったある日のこと、彼の元にボクシングの基本もままならない上、選手としては歳をとりすぎている女性マギー(ヒラリー・スワンク)が現れる。「コーチになって」と、半ば強引にジムに押しかけトレーニングを始めてしまう。その姿をみたジムの雑用係であり、元ボクサーのエディ(モーガン・フリーマン)はフランキーに彼女をコーチングするよう提言する。
渋々ながらそれを受け入れたフランキーのコーチングで、順調に腕を上げ勝利を重ねていくマギー。やがて2人は親子のような絆で結ばれていく。順風満帆に思えた2人だったが、マギーの希望に押し切れられるように引き受けたビッグマッチでマギーは相手の選手から反則技を受け半身不随になってしまう。

 

クリント・イーストウッド監督の代表作ですが、実は今回初めて鑑賞しました。
絶対名作だろうという期待もあり、逆にずっと観ることをためらっていました。案の定凄まじい作品ですね。ただ淡々と残酷な現実を語り、その感情を描写する。「全ての事柄に救いがあるわけではない。」と、耳元で囁かれたような1本でした。そんな作風がいつも私の琴線にジャストミート。

ただでさえフランキーは過去にエディの最後の試合を止めることができなかったことをとても悔やんでいます。だからこそ選手に逃げられいくら損をしても、頑なに慎重な試合しかさせなかった。それでもマギーの闘志を止めることはできなかったし、彼女にはボクシングしかないことを知っていた。フランキーに落ち度はなかったけれど、事故は起こってしまった。(現実だったら事故じゃなく事件ですけど)二度とあの時には戻れない。フランキーがマギーの望みを叶えてあげること、それは彼が自身に課した罰であり、マギーへの感謝と愛情の形だったのかもしれません。

賛否分かれる作品だと思いますが感情的には当然ですよね・・・。自分ならどうしただろう、マギーの立場なら、フランキーの立場なら、そう考えた時に私はフランキーを否定することはできないなと感じました。ただ本作は日本人の私が観るのと、キリスト教圏の方が観るのでは重みが全然違うはずです。マギーのガウンの意味や、刺繍の意味についても、文化が異なるので表面的な理解しかできていないと思います。もっと宗教的造詣が深ければよりこの作品の重みをより理解できたのにと悔しく思います。さて、クリント・イーストウッド監督も88歳のおじいちゃん。あと何作すばらしい作品を世に残してくれるだろう。

 

『クリスマス・クロニクル』2018年公開/アメリカ
クリスマスイブが近づく頃、10歳の少女ケイトはホームビデオを見返していた。毎年家族で楽しく過ごしていたクリスマスの映像。しかし今年のイブはケイトと母親、そして兄であるテディの3人で過ごす予定だ。一家は消防士だった父を亡くしてしまったからだ。
そしてクリスマスイブ当日、ケイトは母親とクリスマスの準備に勤しんでいた。だがその途中で看護師である母に急遽連絡が入り、出勤を頼まれ外出することに。ケイトは最近折り合いが悪く、喧嘩してばかりの兄テディと2人きりでイブの夜を過ごすことになった。
その夜ケイトがいつものようにホームビデオを見返していると、映像の中にプレゼントを部屋に投げ入れる何者かが映り込んでいることに気づく。きっとサンタクロースだ!と興奮するケイト、「母親にテディの悪事をバラさない。」という交換条件で、兄にサンタクロースをカメラに捉える協力をして貰うのだが…。


ちょっとファンキーなサンタとファンタジックなクリスマス、素敵な作品でした。
感想は既に公開中の別記事(http://releasehallucination.com/emi_blog/archives/805)をご覧いただけたらと思います。いや、まさかベスト5に入るとは・・・自分の好み的な意味で意外。

 

『ジェーン・ドウの解剖』2016年公開/アメリカ
若い検視官オースティンは父親でベテラン検視官のトミーと遺体安置所を営んでいる。
嵐の夜、彼らの元に謎の惨殺事件が起きたという屋敷の下から見つかったという身元不明の遺体(ジェーン・ドウ)が運ばれてきた。朝までに検視解剖を行い、死因を調べて欲しいと警察から依頼されるが、傷ひとつないその美しい遺体には不可思議な点が多く、解剖を進めるにつれ謎は深まるばかり。やがて二人は不可解な現象に見舞われるようになり・・・

 

身元不明遺体ジェーン・ドウ役を演じるのは、モデルのオルウェン・ケリー。
横たわっているだけで本当に美しいのですが、舌は切り取られ、体内は傷つけられ、外傷も見当たらないのに骨は折れている。メスを入れれば通常ではみられない出血、皮膚の内側には謎の紋様・・・と、不思議なことばかり。この手のB級ホラーにありがちな展開ではあるのですが、海外ホラー特有のビックリ演出ではなくじわじわと迫ってくる恐怖。邦画に例えるならリングの「貞子」のような深みがジェーン・ドウにあって、そこが気に入った点でした。彼女が何者なのか終盤にはどことなくですが解明されるので、モヤモヤ感もありません。この展開なら続編やリングで言うところの「リング0」や「らせん」的な作品も作れてしまいそうですね。続かないかな?

とはいえパパトニーが何度も「うわぁァァ」つって暗闇に引きずり込まれるシーンとか、外は嵐、停電、動かなくなるエレベーター、当然外には出られないみたいな展開とか、B級ホラーのお約束も詰まっていてふふってなります。古すぎず新しすぎず、バランスが良い作品です。結構グロいので苦手な人は苦手かもしれないけど、個人的にはSAWほど痛くないから大丈夫、観られる。って感じでした。

 

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今年はこんな感じのベスト5。
正直5作目に何を入れるかは同じくらい良い作品が他にもあったので、結構迷いました。

例えば公開前から期待していた『ザ・サークル』
こちらは世界ナンバーワンのシェアを誇る超巨大SNS企業「サークル」に採用された主人公メイが、新サービス『シーチェンジ』のモデルケースとして、24時間自分の生活をLive配信することになるお話。「サークル」はアップルやGoogle、FBやTwitter等様々なサービスがモデルになっていそうです。情報発信し共有する現代へ警鐘を鳴らすような作品で、主人公のプライバシーが失われ、多くの人々に監視されるようになり、次第にディストピア的な様相を呈していく点が面白くて気に入りました。しかしエマ・ワトソン主演、トム・ハンクス助演という豪華キャスティングが裏目にでたのか、公開後の評判はあまり芳しくないようです。実際シナリオもちょっと弱い印象があります。最初は戸惑いつつも、プライバシーを公にしていくことに決めたのは主人公自身、にも関わらずあのエンディングは?って感じです。無自覚のうちにネットワークに浸食されている描写はとても面白いのですが、彼女自身がこの問題にどう決着をつけたのか曖昧なので、共感したりしにくいかもしれません。

 

他に『手紙は憶えている』も良い作品でした。
身体が動かなくなった同胞、共にアウシュビッツ収容所の生き残りであるマックスに代わり、認知症のおじいちゃんゼヴが家族を殺したドイツ人兵士への復讐の為、旅に出るお話です。ゼヴは記憶障害に苛まれながらも、マックスから託された1通の手紙(計画表のようなもの)を持ち時にはマックスに電話でナビゲートされながらドイツ人兵士を探します。バスや汽車で方々に移動する内容なので若干の中弛みは感じましたが、随所に面白いポイントがありますね。やがてゼヴが至る最後の場所、そこに待ち受ける真実とは・・・エンディングや練られたシナリオがとても秀逸、とってもお勧めしたい1本です。

 

同じく公開前から期待していた『Get OUT』も良作!
白人彼女の実家に泊まりがけで挨拶に行くことになった黒人写真家クリス。着いてみれば妙に黒人を持ち上げる彼女の父と、催眠療法を盛んに進めてくる彼女の母。深夜にマッハダッシュしている使用人、挙動が不気味なハウスメイド。うわぁァァ絶対ヤバい家!
パーティには鼻血を流して「Get out! Get out!」と叫ぶ唯一の黒人来訪者・・・なんぞこれ。これら随所にちりばめられた伏線もきちんと回収されます。黒人差別なのかと思いきや見始めると、彼女父の「これからの時代は黒だよ。」というコメントはある意味マジっていう。とても面白かったです。ただこちらも『ミリオンダラー・ベイビー』と同様に文化的背景をもっと理解してたら更に楽しめたと思います。そういえば主演のダニエル・カルーヤはNetflixで公開されているオムニバスドラマ「ブラックミラー」にも出演していますね。あれもディストピア的な管理社会で苦悩をする役でしたが、そちらも面白くてお勧め。

 

『スプリット』誘拐犯に拉致監禁されたぞな、しかも犯人は多重人格者!?ってお話。
私は『モーガン プロトタイプ L-9』を観て以来アーニャ・テイラー=ジョイとっても好きなのですけど、彼女が主演している本作。監督がシャマランな時点でエンディングがとんでもであることは大体の人がわかってみているでしょう。『ウェイ・ワード・パインズ』のノリだろ?そうだろ?って気持ちで観たら、完全にそのノリでした。うん知ってた。既に彼の過去作とクロスした内容の続編『ミスター・ガラス』が公開を間近に控えていますね。ビリー・ミリガンをモデルにしているであろう誘拐犯を演じるジェームズ・マカヴォイの演技は驚異的ですが、「別の存在になることができる」のだとして、もう少しかっこよくはならなかったんでしょうか。いっそCGとかで・・・。ムキムキなおっさんが深夜の街をダッシュしている図にちょっと切ない気持ちになりました。とはいえ次も公開されたらも観ちゃうんだろうな。

 

 

その他今年見た映画作品
『海を飛ぶ夢』※監督『The Others』と同じ方なんですね。ただこの作品ロサのウザさが半端ぬぃよー
『バケモノの子』※個人的には細田監督作品の中で一番好きでした。ファンの評判はいまいちだそうですが・・・w展開もシンプルにまとめてあるし、主人公と熊鉄の不器用な距離感も素敵。私には「コイコイ!」はちょっと冗長に感じられてしまうのです・・・。
『映画ドラえもん 新・のび太の日本誕生』※リメイク版も良いなって思いました!

 

『ミスティック・リバー』『父親たちの星条旗』『硫黄島からの手紙』『15時17分、パリ行き』『ハッピーエンドの選び方』『ぼくらの七日間戦争』『下妻物語』『ポケットモンスターミュウツーの逆襲』

ドラマ
『クィア・アイ: シーズン2(リアリティ番組)』『GLOW: ゴージャス・レディ・オブ・レスリング』


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