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ホテル・ルワンダ

201612/22

2016映画のおはなし。

こんばんは。2016年も残りわずか、ということで!
この辺で今年心に残った映画作品を、簡単な感想と共に振り返りたいと思います。
まだ年内に見たい作品は結構残っているんですけど、きっと年末は逆三角形の建物にいて
感想を書いている暇がなくなってしまうと思うので(笑

 

『ホテル・ルワンダ』2004年公開/イギリス・イタリア・南アフリカ共和国合作
1994年にアフリカのルワンダ起きた民族対立”ルワンダ虐殺”を描いた作品。
主人公のポール・ルセサバギナはホテルの副支配人
仕事で培った人脈や交渉力で過激派のフツ族から家族を守ろうとするが
事態はもっと深刻であると気づいた彼は、より多くの人々の命を救うことになる。
ポール・ルセサバギナは実在の人物です。映像化の際も本人に入念な取材をしたのだとか。
作中の、ポールが虐殺の爪痕を見て立ち尽くすシーン
ホテルに戻って震えながら泣き崩れるシーンがとても人間的で印象に残っています。
ポールは元々英雄ではなく、優しさも狡猾さも持っている1人の人間です。
人柄が非常に上手く描かれており、いかにもな英雄譚で終わらないのがこの映画の素晴らしい所。
多くの方に見て欲しい作品ですが残念ながら国内での映像配信はないようです。
是非DVDでご覧下さい!今年一番のおすすめ!

 

『ルーム』2015年/カナダ・アイルランド
ジャックにとってママと一緒に暮らす「部屋」が世界の全てだった。
TVに映る大勢の人たちは偽者、木は物語の中だけに登場する作り物だと思っていた。
5歳の誕生日を迎えるまでは…。
最初は仲睦まじい親子の平凡な生活風景で始まりますが、実は2人共監禁されています。
部屋から脱出する所は目玉かに見せかけて序章なので、脱出劇だけでは終わりません。
数年監禁されていた二人の心の動き、葛藤、苦難まで描かれるのがこの作品の素晴らしい所。
助かった喜びも束の間、本来過ごすはずだった自分の人生を憂い
病んでいくジョイの姿を見て、子供ながらに支えようとするジャックの姿は兎に角切ない。
かといって憂鬱には終わらない、希望があるエンディングなのがとても良いなと思いました。
これも是非一度見ていただきたいおすすめ作品。

 

『ヴィンセントが教えてくれたこと』2014年公開/アメリカ
酒・女・ギャンブル三昧の超ろくでもないアウトロー爺さんヴィンセント
そんなヴィンセントの隣に引っ越してきた賢いもやしっ子、少年オリヴァー
ヴィンセントはひょんな事からオリヴァーのシッターを(有償で)買って出ることに…。
この作品はそんな二人の年齢を超えた友情の物語です。
老人+子供の友情物語というテーマ自体は非常にありきたりで
『カールじいさんと空飛ぶ家』とか『小説家をみつけたら』とか既に色々あるんですけど
それでもこの作品を評価している点としてはヴィンセント役のビル・マーレイの演技です。
ゴーストバスターズの頃からそのまま歳を取ったんだな、というコミカルさもあれば
終盤の切ない表情もまた良いんですよ…。ストーリーの展開も良いですね。
ヴィンセントの過去はオリヴァーの発表によって明かされていくので
視聴者もオリヴァーの発表会を見ている人と同じ気持ちになれるでしょう。
コメディなので若干のご都合主義はありますが良い作品でした。
でも教育にはよくないと思います。お正月におうちのTVで…とかは辞めておきましょう(笑

 

『エクス・マキナ』2015年公開/イギリス
検索エンジンで有名なIT企業ブルーブック社
そこで働くプログラマーのケイレブは社内抽選に当たり、CEOであるネイサンの自宅に招かれた。
緊張するケイレブに、ネイサンは「ここは人工知能の研究施設だ」と告げ、信じられないほど
高性能なAIを搭載したアンドロイド、エヴァのチューリングテストを依頼してくるのだった。
…という、あらすじなのですが、チューリングテストに恐らく意味はありません(笑
終盤までネイサンの目的は不明です。またエヴァも「ネイサンに気をつけて」と警告してくるので
真相はわからない、でもケイレブはエヴァに魅かれ始めちゃう!というわくわく展開です。
最終日に全てが明らかになりますが…寧ろ終わってみれば掌で踊らされているだけ。
少なくとも7日のセッションを行っていたのはケイレブではなかったのでしょうね…。
とても上手く話が組み立てられているので退屈せず楽しめます。
かつ見終えてから襲ってくる伏線回収による恐怖。気づくとちょっとぞっとします。
AIものって大体AIが暴走して人間社会を支配する~みたいな展開になりがちですが
露骨にそういうお話でないのが、この作品を気に入った理由のひとつです。
制作発表から2,3年、日本配給を待った甲斐がある素晴らしい作品でした!

 

以上が今年のベスト4でした。
私のおすすめ作品は必ずしも一般受けするタイプではなさそうですが…宜しければご覧あれ(笑
全てこの調子で書いていくと酷い長さになりそうなので、後は印象に残ったものをいくつか。

『レヴェナント』2015年/アメリカ
仲間に裏切られ、息子を殺された男の復讐劇。
ディカプリオが念願のオスカーを獲った話題作。話題になるだけあって迫力満点です。
とてもCGには見えないリアルなグリズリーや自然光での撮影に拘ったという美しい雪原
派手な戦闘シーンと素晴らしい映像美です。しかしストーリーが壮絶、且つ2時間半の長編。
台詞も大変少ないので娯楽として見るにはちょっと辛いですね。結構グロいし。
また時代背景の解説はない不親切設計なので、知識がないままに見ると若干置いてけぼりです。

『ロスト・メモリー』2012年/ドイツ
主人公ハンナは25年ぶりに再会した幼馴染クラリッサと意気投合し
幼少期を共に過ごした島へ旅行に出かけることにする。
しかしその島で不可解なことが起こり…。というお話。
こちらはかなり気に入った作品で、童話的な儚く怪しい雰囲気も良い。
ご都合主義的な面はなきにしもあらずで、どことなく先も読めてはしまうんですが
それでも展開も魅力的で面白いです。人間怖い!ホラーというよりスリラー寄りなのかな?

戦場でワルツを』イスラエルのアニメーション作品。
映像表現も独特ですが、監督脚本共に主人公のアリ・フォルマンという異色の作品。
毎夜見る悪夢について友人に相談するフォルマン。だが会話の中で、彼自身が体験したはずの
レバノン内戦の記憶を失っていることに気づき、自身の記憶を探る旅にでる…というお話。
内容もだけど最後実写に切り替わるインパクトは凄まじかったなぁ…
娯楽的な面白さはないけれど、考えさせられる作品。

まだゼログラビティ、インターステラー、オデッセイ、10クローバーフィールドレーンと
年内見たい作品が結構残っていたりするんですが…その辺は追々。
名作に巡り会えない年は本当にがっかりなんですけど、今年は良作多くて幸せでした。
来年はザ・ギフト、幸せなひとりぼっち、Split、Let’s Be Evil、モーガンあたりが楽しみです。

 


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