『Lovers In Abyss』楽曲解説

こんにちは、Release hallucination emiです。皆様いかがお過ごしでしょうか。
昨年末にリリースした新作『Lovers In Abyss』は、気に入っていただけたでしょうか。
沢山のご感想本当にありがとうございます。制作の励みになっております。

さて、2018年最初の記事はkaoruによる作曲者視点でのセルフレビューです。
今まで詳細に書いたことがなかった部分ですが、リリハルの曲がどんな風に作られているのか
少しだけわかるかもしれません└(‘ω’)┘
是非読んでみてね!

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はい、ということで多少専門的になってしまいますが、『Lovers in Abyss』の解説をします。
『Lovers in Abyss』という楽曲がどのように構成されているか、譜面画像を交えつつ紹介したいと思います。

0:00~


まず、冒頭
「シド#レド#レミ ミレミファ#ソファ# ソラシソラファ# ソファ#ミファ#ソファ#」
というこの一連の音列がテーマフレーズです。
近年のリリハル楽曲には、このようなテーマフレーズが存在している場合が多いです。
このフレーズを展開していくことで楽曲を構成する様々なパーツを作っています。

0:04~


イントロ各音の間にルートであるB音を充填した6連符ユニゾンです。
(emi注:つまりB音(シの音)を抜かすと、テーマと同じフレーズになるのです。)
ドラムも6連符でユニゾンすることでインパクトのあるサウンドになっていますね。

0:15~


続いてメタル風ギターリフですが、これも赤い音符だけ見るとテーマフレーズと全く同一の音列になっています。

0:30~


これは同様にメタル風ギターリフのオクターブ下げバージョンです。
こういう事が簡単にできるのはドロップBチューニングのおかげですね。

3:57~


飛んで間奏部分のベースフレーズです。
(ギター用の譜面を引っ張ってきたので、実音はオクターブ下です。)
これはテーマフレーズの5/8バージョンです。
一瞬ドラムが5/4で刻むのでどちらの拍子が正解なのか曖昧ですが、メロディー上は5/8という解釈で問題ないと思います。しばらくこのフレーズが続き徐々にビルドアップされていきます。

4:44~


次はリズムが6/8になります。
基本的に各小節前半がテーマフレーズ、後半はルート音という構成です。

4:49~


そしてここからやや複雑になるのですが、各小節前半のテーマが原型を後ろから読んだ形、
いわゆる逆行型になります。
(emi注:「あいうえお」が「おえういあ」になってる的なことですな( ・ὢ・ )

4:55~


ひとつ転調し再度原型をEmキーで演奏しています。
(emi注:Bm→Emになっています。)

5:01~


そして4:49ではただの逆行でしたが、ここでは同時に転調もしてAmキーになっています。
このあとは同系統の流れがバッキングパートへと転じ、それを土台にギターソロ、キーボードソロと続いていきます。

6:26~


この半音階的なユニゾンフレーズも、大元はテーマフレーズです。
3連符の位置にくる音(赤い音符)がテーマと同一であり、3連符の裏にあたる音がそれぞれに対するアプローチノートとなっています。

6:29~


最後にこれは6:26のフレーズのリズム的拡大バージョンというか、
速度が半分になりさらにオクターブ下げたフレーズです。
やはり赤い音符がテーマで、その間にアプローチノートが充填されています。
ギターにはフェイザーがかけられ、ドラムもかなり変則的なリズムになるので、とてもカオティックな雰囲気になっていますね。

だいたいこんな感じです。こうして一つのフレーズに執着して楽曲を構成することで、派手に展開しつつも統一感のある音楽ができるのではないかと思います。また逆にテーマフレーズ発祥ではないメロディーが浮かび上がって聴こえる効果もあるのではないかと考えています。

ついでにギター用タブ譜はこちら。弾いてみてね!
Lovers in Abyss TAB譜

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